↑ 1997年ドイツのラムシュタイン空軍基地で展示された436th AWのC-5A/69-0019

C-5Aギャラクシーは、国内の航空祭では機体が大きすぎて全景を撮ることが中々出来ない。無理に撮れば ギャラリー(観客)がたくさん入った写真となってしまうからである。そこで 私のコレクションもアメリカ本国か 嘉手納に依頼した外来のC-5Aが中心になるが、部隊の変遷も1990年以降大きく変わっており、所属部隊毎にご紹介できるほどの数も撮っていないし、機体の並べ方も規則的ではないが、デジタル化した写真から適宜ご紹介していこう。
さて次にご紹介するのは、輸送機のマザーベースの一つカルフォルニア州トラビス空軍基地の60Th AMWの機体。60th AMWは、昔の白ギャラ(白いC-5A 60th MAW時代)からちょくちょく横田に飛来する常連として親しみをもっとも感じる航空団である。空軍で最も大きい輸送航空団の一つであり 以前横田にもいた21st AS(旧名21st TAS)と22nd ASがC-5Bを運用していた。このほか2個飛行隊のKC-10Aなども運用しており組織は巨大である。
60th AMWは、冷戦がはじまった1948年に閉鎖された西ベルリンへの物資輸送業務をするために編成されたと言って過言はない。創設から10年あまり西ドイツからフランスまで本拠地を変えて 現在のトラビスに移動したのは、1966年である。C-5のグレードアップ計画であるM型への改造において 2012年5月9日ここのC-5Bが改造の為にロッキードマリエッタ工場に工場へデリバリーされた。米空軍に2機しか存在せず 後部のカーゴドアが左右に開くC-5C型もここを本拠地にしている。(2011年の横田公開で展示された)

第436輸送航空団(436th AW)は、デラウェア州のドーバー空軍基地を本拠地とする航空団で、右のンシグニアにもあるように鷲がシンボルの"Eagle-Wing"と呼ばれている。1946年6月に創設され、1966年にドーバーに移転してから、現在の第436のナンバーが付与されている。ドーバーに移動と同時にC-141スターリフター輸送機を受領、C-5Aは1971年から使い始めた。ベトナム戦争と時は、東南アジアを中心に活躍し、人員輸送・人道支援・外交使節団の輸送業務を担当。1983年のグレナダ紛争でも作戦の為の輸送を行った。この部隊は、緊急時の空中投下や特殊作戦が遂行可能な部隊として常に待機状態にあるそうだ。2007年からは、C-17Aも加わり2機種を運用している。

まずは、2002年10月オシアナに展示された予備役軍団のC-5A。マサセッツ州のウェストオーバー予備役空軍基地所属の第439輸送航空団(439th AW)である。1988年までC-130Eを使っていたが、1987年からC-5Aを受領し始めて、現在では主力である。尾翼の赤いラインと「PATRIOT WING」の文字が綺麗である。この部隊は1990年の湾岸戦争時、イラクのスカッドミサイルの脅威にさらされたイスラエルにパトリオット・ミサイルを輸送する任務を負った歴史を持つ。
C-5B(87-0036) 60th AMW 21st AS 黄帯。(撮影 2002-5-9)
トラビス空軍基地は、カルフォルニア州の北部でサクラメントとサンフランシスコの間ぐらいに位置するソラノ群フェアフィールド市と言う場所にあり、1950年代は戦略空軍SACの基地としてB-29〜B-52と言った爆撃機のベースであった。基地名の所縁も 第9重爆撃機航空団長であった ロバート・トラビス准将(1952年8月にB-29の墜落事故で殉職)の名前から命名されたものである。この地帯は、5月から10月までが乾季にあたりほとんど雨が降らないため 飛行訓練には打って付けの場所である。
(C-5C)

↑ 第439輸送航空団所属(439th AW)のC-5A/69-0017

↑ 2005年オシアナ海軍基地に飛来した。第439輸送航空団所属(439th AW)のC-5A/69-0011
2014年4月11日 嘉手納に貨物を降ろす60th AWのC-5B(86-0024)。3月に横田にも飛来しており,この後尾翼の機番表示は86024から60024に変更になったようだ。
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↑ 1998年ロビンス空軍基地で撮影された。第439輸送航空団所属(439th AW)のC-5A/68-0219
C-5 Galaxy
青い帯は、22nd AS(第22輸送飛行隊)、黄色い帯は、以前横田にもC-130Eの部隊として駐留していた ”ビーライナース”21st ASを表している。今は、白い帯に統一されているようで 尾翼のラインだけで飛行隊の区別ができない。60th AMWは、サポートチームとメディカルチームも含め23000人を擁する大組織であり そのリソースは、20億ドル以上の価値があると専門誌には書いてあった。
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↑ 2000年10月 オシアナ海軍基地で撮影したC-5A/87-0031

C-5B (84-0060) 60thAMW 22ndAS 青帯。(撮影 2002-5-9)
Wings

↑ 436th AWのC-5A/70-0466。尾翼の黄色いラインに書かれているように デラウエア州のドーバー空軍基地のC-5である。第436輸送航空団(436th AW)の所属ではあるが、機首を見ると「512nd AW」の文字も入っているので アソシエート飛行隊であろう。ドーバーは、1949年から輸送機の一大拠点として有名でC-17も存在する。